中国小児推拿療法
李 強・清水 教永 著
代 序
余惟うに、小児、七情六欲の感無く、唯風寒・水湿・傷食の証あり、且つ初生(生れたて)は臓腑脆薄にして、薬餌に経えず、稍年長して又薬を畏れ投ずるに難し。唯此れ推拿、一着(ひと手)面部・手掌・股足・皮肉の間に効を取る。
もし其の病証を察す能うれば、其の穴道を循り、手法を以って施し、汗、吐、下三法尤も能く秘訣を得る。大なる(年長児)は又稍かに薬餌を兼ぬれば、いまだ試みに随いて効なきは有らざるなり。
明・佚名氏が著した『小児推拿秘訣・自序』より抜粋)
目次
上篇
一、小児推拿療法とは
二、小児推拿療法のメリット
三、主治範囲
四、小児推拿療法の歴史
五、小児推拿に関する現代医科学的研究
六、中医学による小児の特徴 (一)生理的な特徴 (二)病理的な特徴
七、中医学的診察法 (一)望診 (二)聞診 (三)問診 (四)切診
八、弁証 (一)八綱弁証 (二)臓腑弁証
中 篇
一、小児推拿手技
(一)単式手技
1.按法(あんぽう) 2.摩法(まほう) 3.とう法(とうほう) 4.揉法(じゅうほう) 5.推法(すいほう) 6.運法(うんほう) 7.搓法(さほう) 8.揺法(ようほう)
(二)複式手技
1.黄蜂入洞(おうほうにゅうどう) 2.猿猴摘果(えんこうてっか) 3.運土入水(うんとにゅうすい) 4.水底撈明月(すいていろうめいげつ)
(三)手技の使用事項
1.基本要求 2.推拿媒質 3.操作手順 4.操作回数 5.手技補瀉
二、小児推拿特定穴
(一)小児推拿特定穴の特徴
(二)特定穴
1.頭面頸項部の特定穴 2.胸腹部の特定穴 3.脊柱部の特定穴 4.上肢部の特定穴 5.下肢部の特定穴
下 篇
1.麻疹 2.おたふくかぜ 3.百日咳 4.赤痢と疫痢 5.かぜ症候群 6.咳嗽 7.気管支喘息 8.気管支炎 9.発熱 10.下痢 11.嘔吐
12.便秘 13.脱肛 14.流涎 15.上皮真珠 16.口腔カンジタ症 17.反復性腹痛 18.黄疸 19.浮腫 20.夜尿症 21.夜泣き
22.先天性筋性斜頸 23.肘内障 24.はなぢ 25.歯痛 26.夏季熱 27.分娩による腕神経叢麻痺
附 篇
母でも出来る子供の病気・虚弱体質を治る小児推拿法
1.かぜ症候群 2.胃腸炎 3.気管支喘息 4.夜尿症 5.チック 6.夜泣き 7.学習困難 8.近視
9.虚弱体質・胃腸虚弱が中心となるもの
10.虚弱体質・易感染性が中心となるもの
11.虚弱体質・全身倦怠感が中心となるもの
12.虚弱体質・神経過敏が中心となるもの
参考文献
著者略歴