学会発表_2001_癌治療に関する中医舌診文献の考察

癌治療に関する中医舌診文献の考察              李 強
2001.6.8-10,全日本鍼灸学会第50回学術大会,大阪国際会議場

【目的】
中西医結合による長年の癌治療の臨床実践により、多くの舌診文献は発表されている。一方、インターネットによる学術利用環境の整備は世界各国が競争しており、近年、中国でも様々な機関が中医学術情報データベースを構築している。本研究の目的は、中国に発表された舌診文献を検索し、癌治療に普遍的な指導意義をもつ、なおかつ鍼灸臨床にも役に立つ文献に対して考察を行うものとした。
【方法】
5つの中医学術情報データベースを利用し、舌診・舌象研究・癌症舌象・舌診与癌というキーワードを用い、この20年間の癌治療に関する舌診文献を検索し、検索された文献をEBMの観点より検討し、文献の信頼性評価を加え、システマティック・レビューを行った。
【結果と考察】
検索の結果として、合計約400件の関連文献があることが確認できた。また、中国抗癌協会・共同研究班報告書などの権威性がある文献によると、肝臓癌(51.4%)をはじめ、胆・膵・腸・肺・鼻咽喉癌の 患者には青紫舌が多く見られる。膀胱癌(46.7%)・ 甲状腺癌・乳腺癌の場合、胖大舌や歯痕舌が多く見られる。裂紋舌は、白血病(25.0%)・消化道癌・放射線治療期間中のほうに多く現れるという。そして、 淡紅舌の癌患者は病変軽く浅い、早期、予後良好を 示す。淡白舌(写真を参照)の癌患者のほうが末期 癌や悪液質が多い。青紫舌の癌患者は高割合で末期癌を検出される。
【結語】
癌における舌診の限局性があって、癌の陽性率は最高の青紫舌でも50%前後に過ぎないので、西洋医学の精密検査手段を先行的に使用すべきと結論づけられる。また、推拿や鍼灸による末期癌の痛み緩和などに携わっている方々は舌診法を取り入れてアプローチをする可能性が示唆される。

キーワード:舌診法・中医学データベース・学術情報・癌治療

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