学会発表_2002_2_少林内功試行時の脳酸素代謝動態について

少林内功試行時の脳酸素代謝動態について
(Changes of Oxygen Metabolism in the Cerebrum
during Shaolin Internal Qigong )

李 強、松浦義昌、坪内伸司、李 啓明、清水教永

2002.3.1-2,国際生命情報科学会第13回シンポジウム,東京工業大学

要旨: 本研究は、少林内功試行時における生理的反応を明らかにするため、近赤外線分光法(NIRS)を用いて脳酸素代謝動態を分析した。被検者は、少林内功の修練年数40年以上の経験を持つ55歳の男性1名である。椅座位安静時の平均酸素飽和度(StO2)は79.6%、少林内功試行時ではおよそ77~79%の範囲内であった。椅座位安静時の平均総ヘモグロビン(TotalHb)量は393.0cm・g/l、少林内功時では390~396cm・g/lの範囲内であった。椅座位安静時の酸素化ヘモグロビン(OxyHb)量は312.9cm・g/l、少林内功時では299~312cm・g/lの範囲内であり、いずれも椅座位安静時と少林内功時で有意な差は認められなかった。以上の結果から、少林内功熟練者は、自然呼吸により常に安定した脳内の血中酸素濃度や血液中のヘモグロビン濃度を維持し、脳内における経済的な酸素消費を促し、血中脱酸素化ヘモグロビン(DeoxyHb) 量の増加を抑制することが可能とするものであると推察される。

Keywords: Shaolin Internal Qigong, Near-infrared Spectroscopy(NIRS), oxygen metabolism, hemoglobin(Hb), oxygen saturation(StO2)

学会発表_1999_1_氣功と密教瞑想修練中の脳波theta waveについて

氣功と密教瞑想修練中の脳波theta waveについて
李  強、浅田 博、松浦 義昌、清水 教永、山口 雄三

1999.10.18-19,第17回日本東方医学会,昭和大学

【目的】
われわれは従来の研究により、気功、密教瞑想修練者では、瞑想中の脳波活動は、5.5-7.5Hz帯域の周波数が顕著に出現することがEEG変化の1つ特徴であると考えた。
【方法】
今回では、20名の気功、ヨ-ガ、密教瞑想修練者の中で、修練中にθ波をよく出現し、かつ熟練者であると認められる3名の被験者について、次の分析を行った。EEG Cartographyを用い、12部位(Fp1,Fp2,F7,Fz,F8,C3,C4,T5, Pz,T6,O1,O2)から単極誘導した脳波を5.5-7.5Hz帯域の間で、0.5Hzごとに60秒を1epochとして、Peak FrequencyとRatio of Maximal Spectral Intensityを求め、瞑想前安静閉眼、瞑想10分、20分、30分、39分区間よりそれぞれの脳地図を得た。
【結果】
瞑想中Fzにおいて、計算中に出現したFm θと類似した6.5Hzにピ-クのあるθ波が増大したことが認められた。また、計算中と瞑想中との脳電図の変化を比較検討したところ、両者の類似性が高く、一般にFm θは精神活動に伴なって出現するものと考えられている。
【考察】
瞑想中4.0-8.0Hz周波数帯域において、その際の等電位分布は、瞑想の時間的推移により、徐徐増大した傾向があり、いわゆるFm θ出現したものと認められた。Fm θと瞑想時のθ rhythmが生理心理学的にも精神神経科学的にも同様な特徴を有しているとすれば、両者が同一あるいは類似な出現機構を介していることが推測される。

学会発表_2001_癌治療に関する中医舌診文献の考察

癌治療に関する中医舌診文献の考察              李 強
2001.6.8-10,全日本鍼灸学会第50回学術大会,大阪国際会議場

【目的】
中西医結合による長年の癌治療の臨床実践により、多くの舌診文献は発表されている。一方、インターネットによる学術利用環境の整備は世界各国が競争しており、近年、中国でも様々な機関が中医学術情報データベースを構築している。本研究の目的は、中国に発表された舌診文献を検索し、癌治療に普遍的な指導意義をもつ、なおかつ鍼灸臨床にも役に立つ文献に対して考察を行うものとした。
【方法】
5つの中医学術情報データベースを利用し、舌診・舌象研究・癌症舌象・舌診与癌というキーワードを用い、この20年間の癌治療に関する舌診文献を検索し、検索された文献をEBMの観点より検討し、文献の信頼性評価を加え、システマティック・レビューを行った。
【結果と考察】
検索の結果として、合計約400件の関連文献があることが確認できた。また、中国抗癌協会・共同研究班報告書などの権威性がある文献によると、肝臓癌(51.4%)をはじめ、胆・膵・腸・肺・鼻咽喉癌の 患者には青紫舌が多く見られる。膀胱癌(46.7%)・ 甲状腺癌・乳腺癌の場合、胖大舌や歯痕舌が多く見られる。裂紋舌は、白血病(25.0%)・消化道癌・放射線治療期間中のほうに多く現れるという。そして、 淡紅舌の癌患者は病変軽く浅い、早期、予後良好を 示す。淡白舌(写真を参照)の癌患者のほうが末期 癌や悪液質が多い。青紫舌の癌患者は高割合で末期癌を検出される。
【結語】
癌における舌診の限局性があって、癌の陽性率は最高の青紫舌でも50%前後に過ぎないので、西洋医学の精密検査手段を先行的に使用すべきと結論づけられる。また、推拿や鍼灸による末期癌の痛み緩和などに携わっている方々は舌診法を取り入れてアプローチをする可能性が示唆される。

キーワード:舌診法・中医学データベース・学術情報・癌治療

学会発表_2001_2_人中診法に関する中医文献の考察

人中診法に関する中医文献の考察

李 強

2001,12.9,第21回全日本鍼灸学会近畿学術集会,和歌山県商工会議所

【目的】人中部、別名水溝、鼻下。『霊枢・五色』には「面王以下者、膀胱子処也」「唇厚人中長以候小腸」という記載がある。中医望診において、人中部の形態・色沢などを観察して体内の疾病を推察・診断する方法を人中診法という。中国では人中診法に関する研究発表は散在でありながら、注目すべき成果が挙げられる。一方、日本鍼灸界では人中穴を用いて臨床治療に応用するのは大多数であるが、望診の1部位とされる研究報告は稀のようである。本研究は、中医学文献データベースを利用して、人中診法に関する文献を検索し、その結果をまとめ、私見を加えて報告する。

【方法】「中国中医薬文献数据庫」をonlineして、人中診法というキーワードを用い、この20年間発表された文献を検索し、検索された文献を検討し、文献の信頼性評価を加え、システマティック・レビューを行った。

【結果と考察】人中の色沢・長さ・深浅・しわと隆起の有無を望診する。この中、人中の長さは診察指標として多く応用されている。人中短浅ものには不妊症・インポテンスなど、人中狭長ものには包茎・生理不順などが多く見られる。診察に応用される範囲は泌尿生殖系疾患のみならず、小腸や心臓の部分の疾患にも及ぼす。また、形態学において、性成熟期女性の子宮と人中との高い相関性を有する結論が付けられた調査研究は報告され、人体組織発生学上において人中と子宮との関連性が論議された。

【結語】古来の人中診法は今日の臨床診断に有効に応用され、なおさら鍼灸臨床では、人中穴の多岐的な臨床応用にも可能性が示唆された。ただし、evidence-based診察法だとすれば、さらなる測定手段の客観化・より大規模の症例収集と画像診断の照合に関する研究は重要であると考えられた。

李強:学会発表題目一覧(1992-2010年)

李強:学会発表題目一覧
(来日後)
1.津田久美、李 強、山口雄三、水谷充良、山田冨美雄:気功及び瞑想修練者のFmθ波について。1992.10.7-9,第22回全日本脳波筋電図学術大会,明治記念館

2.李 強、津田久美、山口雄三、水谷充良、山田冨美雄:気功及び密教瞑想の脳波的研究。1992.10.29-30,第19回日本脳研究会,岡山衛生会館

3.李 強、浅田 博、津田久美、山口雄三、水谷 充良、山田冨美雄:気功及び密教瞑想中のFmθ解析。1993.2.7,第15回Fmθ研究会,大阪府立大学学術会館

4.Qiang LI: Fm θ Wave Appearance in the Chinese Qigong and Esoteric Buddhist meditation.1996.3.15, 5th International Symposium on Qigong, Qigong Institute of Shanghai Traditional Chinese Medicine Academy, CHINA

5.李 強、浅田 博、松浦義昌、清水教永、山口雄三:脳波による気功瞑想の深度指標について。1999.9.23,第1回世界気功学会日本国際会議 ,名古屋和ガーデンパレスホテル

6.李 強、浅田 博、松浦義昌、清水教永、山口雄三:氣功と密教瞑想修練中の脳波theta waveについて。1999.10.18-19,第17回日本東方医学会,昭和大学

7.李 強、浅田 博、李 啓明:外氣施術に対する脳磁図(MEG)計測の試み。 2000.10.21-22,第18回日本東方医学会,東京科学技術館

8.李 強、鄭 賢国、施  毅、松浦義昌、清水教永:癌患者における舌診の臨床意義-中医学臨床文献考察。2000.10.21-22,第18回日本東方医学会,東京科学技術館

9.李 強:-経穴と異なったもう一つ腧穴系統-:中国小児推拿特定穴に関する考察を主として。2001.2.3,全日本鍼灸学会第20回近畿集会,奈良県文化会館

10.李 強:癌治療に関する中医舌診文献の考察。 2001.6.8-10,全日本鍼灸学会第50回学術大会,大阪国際会議場

11.李 強、松浦義昌、坪内伸司、李啓明、清水教永:少林内功の生理的動態に関する研究。2001. 8.25-26,国際生命情報科学会第12回シンポジウム,東京電機大学

12.李 強:腰椎間板ヘルニアに対する麻酔下推拿法について。2001,10.27-28,第3回スポーツ整復療法学会,大阪電通大学

13.松浦義昌、清水教永、李 強:中国推拿滾法による術者と被術者の生理反応について。2001,11.24-25,第19回東方医学会,科学技術館サイエンスホール

14.李 強:人中診法に関する中医文献の考察。2001,12.9,第21回全日本鍼灸学会近畿学術集会,和歌山県商工会議所

15.李 強、松浦義昌、坪内伸司、李啓明、清水教永:少林内功試行時の脳酸素代謝動態について。2002.3.1-2,国際生命情報科学会第13回シンポジウム,東京工業大学

16.李 強:内関穴における推拿刺激が激運動後の疲労回復に及ぼす影響――—血中乳酸値を指標としてー。2002.6.7-9,全日本鍼灸学会第51回学術大会,筑波国際会議場

17.松浦義昌、李 強、坪内伸司、川野裕姫子、清水教永:自己推拿が内省に及ぼす影響。2002.11.30,第20回東方医学会,科学技術館

18.李 強、松浦義昌、坪内伸司、清水教永:内関推拿刺激が呼吸循環器系機能に及ぼす影響。2002.11.30,第20回東方医学会,科学技術館

19.坪内伸司、松浦義昌、浜口雅行、清水教永、李 強、長谷川修一郎:身体障害者の健康維持を目的とした水中運動について。2003.1.25,第17回日本体力医学会近畿地方会,ビアザ淡海(滋賀県県民交流センター)

20.李 強、松浦義昌、坪内伸司、李啓明、串崎正輝、清水教永:少林内功站襠時の生理的変化について。2003.3.8-9,第18回臨床運動療法研究会,ぱるるプラザ岐阜

21.李 強、松浦義昌、坪内伸司、李啓明、清水教永:少林内功試行における熟練度が生理的反応に及ぼす影響。2003.3.15.-16,国際生命情報科学会第15回シンポジウム,東京電機大学

22.李 強:人中診法の中医文献的考察。2003,6,6-8,第52回全日本鍼灸学会学術大会,香川県県民ホール。

23.李 強:肩部疾患鍼灸RCT文献に対するEBM的吟味。全日本鍼灸学会研究部適応症委員会workshop-EBM鍼灸適応症を考える。司会:井上悦子、七堂利幸。2003,6,6-8,第52回全日本鍼灸学会学術大会,香川県県民ホール。

24.李 強、笹田三郎:日本按摩指圧療法的歴史沿革。(in Chinese)中国全国推拿学会第7回学術会議,2003,10,16-20,湖北省黄石市。

25.松浦義昌、李 強、林 典生、川野裕姫子、茅原聖治、田中良晴、坪内伸司、清水教永:内省報告から見た自己推拿の効果について(第2報)-――手技部位別知覚水準の性差について―――2003.11.15-16,第21回東方医学会,科学技術館

26.李 強:三種日本按摩古著学術述要。(in Chinese)2004.3.5,2004年上海市推拿学会年会,上海中華医学会講堂

27.李 強:RCTでのバイアスの見極めとチェックリストの応用。全日本鍼灸学会研究部適応症委員会workshop-EBM鍼灸適応症を考える。司会:井上悦子。2004,6,11-13,第53回全日本鍼灸学会学術大会,幕張メッセ国際会議場。

28.松浦義昌、李 強、李 啓明、林 典生、田中良晴、坪内伸司、清水教永:生理心理指標からみた気功の効果。2004.10.30-31,第22回東方医学会,科学技術館

29.李 強、趙 毅:利用網絡調査現存於日本的古代中日按摩医著的初歩結果。2005,4,1,上海推拿学会第9回学術年会,上海中医薬大学付属岳陽病院

30.坪内伸司、松浦義昌、濱口雅行、清水教永、李 強:生理指標からみた推拿刺激の疲労回復効果について。2006.2.5-6,第23回東方医学会,東京国際フォーラム

31.田中良晴、松浦義昌、李 強、清水教永:分子遺伝学から見た陰陽五行説。2006.2.5-6,第23回東方医学会,東京国際フォーラム

32.李 強、串崎正輝:運動学手法的歴史及基本原理(Introduction to Arthrokinematic Approach: Its History and Fundamental Mechanism) 2006,4,7,上海推拿学会第10回学術年会,上海市華東病院

33.坪内伸司、松浦義昌、李 強、田中良晴、濱口雅行、真耒省二、清水教永:生理心理学的指標からみた美容推拿の効果に関する研究。2006.8..5-6,第54回日本教育医学会大会,宮崎大学医学部

34.李 強:異なる運動負荷条件における内関穴推拿刺激(acupressure)が血中乳酸値に及ぼす影響。全日本鍼灸学会大阪地方会第14回学術集会,2006.9.24,森ノ宮医療学園専門学校講堂

35.李 強、李啓明、松浦義昌、坪内伸司、清水教永:近赤外線分光光度法測定少林内功練功時的脳O2代謝状態。(in Chinese)中国全国推拿学会第8回学術会議,2006,12,3-5,浙江省杭州市

36.李 強、于 思:現代医学から見た舌診の舌質と舌苔-中医文献の考察を主として-。2007.6-10,第56回全日本鍼灸学会学術大会,倉敷市民会館

37.于 思、尾崎朋文、李 強:疲れ目と眼球表面温度の関係について。2007.6-10,第56回全日本鍼灸学会学術大会,倉敷市芸文館

38.李 強、于 思:舌診臓腑配分の歴史変遷について。2007.12.2,第27回全日本鍼灸学会近畿学術集会,森ノ宮医療大学

39.李 強、于 思:舌診臓腑配分の歴史変遷について。2008.5.30-6.1,第57回全日本鍼灸学会学術大会,国立京都国際会館

40.于 思、成田眞和、尾崎朋文、李 強:中医学の「証」で疲れ目と眼球表面温度の関係について。2008.5.30-6.1,第57回全日本鍼灸学会学術大会,国立京都国際会館

41.李 強、于 思:中国小児推拿特定穴について。2009.11.21-22,第17回日本鍼灸史学会学術大会,京都アスニー会館

42.李 強:中国におけるFrontal theta rhythmに関する研究動向について。2010,2,27, 第32回Fmθ研究会,大阪梅田スカイビルイストタワ-36F会議室

43.于 思、成田眞和、李 強、尾崎朋文、安雲和四郎、森俊豪:うつ病の鍼灸治療。2010,6,11-13,第59回全日本鍼灸学会学術大会,大阪国際会議場

44.李 強、串崎正輝:中医診断学におけるFinger Ratio(FR)の有用性について。2010,8,7-8,第58回日本教育医学会,大阪府立大学

45.李 強:「鳳漢学説」の顛末:past and present. 2010,11,20-21, 第18回日本鍼灸史学会,京都会館