学会発表_1999_1_脳波による氣功瞑想の深度指標について

脳波による氣功瞑想の深度指標について
An EEG Study on the Depth Index of
Chinese Qigong and Esoteric Buddhist Meditations

李 強、浅田 博、松浦 義昌、清水 教永、山口 雄三

1999.9.23 第1回世界気功学会日本国際会議

はじめに
今までの瞑想深度に関する研究について、Banquet(1972)、山崎ら(1982)、孫らなどの報告は取り上げられる。我々は、これらの見解を踏まえて、氣功瞑想時に出現したθrhythmを注目し、新しい瞑想の深度指標の考案を試みた。

実験方法
氣功及び密教瞑想修練者各3名を実験対象とした。密教瞑想修練者が、「阿字観」という修行方法に従って貰い、氣功修練者の場合は、意識を集中するか調息を主とする静功功法を用いた。記録は両者共40分及びその前後の安静閉眼時に行った。瞑想中のθRhythmの判定基準については、Fzから出現したθRhythmのうち、背景脳波より明らかに高い振幅を示し、持続時間が1秒以上のものとした。脳波の分析については、周波数、加算平均パワー値を分析し、αとθ波のpower spectrumを推定し、Fz-Fp1-C3-O1、Fz-Fp2-C4-O2大脳半球内誘導部位、Fz-F7-F8大脳半球間誘導部位にて各電極間Fmθの出現の時間関係を、cross power spectrumのpeak周波数での位相差とCoherence値を求めた。

実験結果
1例密教瞑想修練者は、rest時のFzで周波数がほぼ6.5-7.0Hz前後、持続時間がやや3秒のFm burstが見られた。瞑想開始後39分目の脳波記録では、Fzでの波形の振幅が大きくなり、周波数が約6.5Hz、持続時間が10秒前後のFmθ burstが出現した。一方、1例氣功修練者の場合、瞑想の時間的推移によりFzの周辺に安静閉眼時に既に出現しているFmθの増加が徐々に著明となる。α波に関しては、1例の氣功修練者は、氣功中において、α1成分が後頭部から前頭部へ優勢に広がっていく傾向がある。密教瞑想修練者1例の場合、瞑想の進行にと共に徐々にFzに約6-7Hz power peakが著明に出現してくるのが認められた。また、この例では、Fz、Pz、C3、C4において、10Hzを中心とするα波のpeakが見られたことから、瞑想中ではFmθとともに、α波の成分も増大していることがわかる。1例の氣功修練者の脳波では、矢状列方向の電極間で、位相の伝播方向は、rest中前頭部から後頭部へで、瞑想中後頭部から前頭部へ向くことがみられ、cohrenceは瞑想中のほうが高くなった。

考察
今回の実験の結果によると、瞑想中、(1)θrhythmの出現率の値の大きさ(2)α波の広がりの有無(3)呼吸数などの生理指標の変動(4)左右半球活性活動の変動(5)各電極間の時間関係の変動などが氣功瞑想深度の段階づけの有力な指標であるという結論が導かされると思っている。また、1例の氣功修練者の場合は、瞑想中にβ波が氣功の深い段階で現した。β波も瞑想深度の段階付けの1つ有力な指標であろうと思われる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です